香川県宇多津街の一棟貸しの宿「古街の家」や、徳島・祖谷の「篪庵(ちいおり)」などを手掛けた、東洋文化研究者のアレックス・カー(Alex Arthur Kerr)さんの交流イベントがありました。アレックスさんの目線で、宇多津の街を歩き、古街の家を紹介する様子を動画で紹介させていただきます。下記の動画をご覧ください。
2024年9月18日撮影
西光寺(さいこうじ)の船屋形茶室でお茶会が開かれました。江戸時代末期に多度津藩によって建造された茶室が移築されています。香川県指定文化財。
おはぎとお茶のおもてなし。
西光寺の住職に仏教伝来などのお話をしていただきました。
宇多津の古街は奇跡的に残ったわけです。生活のエリアと寺町、1つの界隈として残ったのは宇多津の街の魅力です。宇多津は海もあって古街もあって工場もあって、多様性のある街だと思いますね。臨水(RINSUI):臨水(りんすい)の方は、たばこ屋をやったり、お店だったんですよ。今は宿泊施設として中身が変わりました。「昔の街」としての良さを残しながら、現代の生活として変えていく、現代の人がハッピーにいられる気持ちよさ、今の時代の人たちのニーズに合わせることですね。「臨水」は非常に伝統的な雰囲気がありまして、お座敷を畳の間として残して、庭は日本庭らしく、土間も昔の土間の作り方として残しました。臨水でもう1つ好きなのが2階の屋根裏の寝室。昔の梁の雰囲気に戻して今の寝室になりました。背山(SEZAN)ハイカラな家だったんですね。それが「背山(せざん)」。ですから板の間にしました。日本的な庭にしないでウッドデッキ。この辺の欄間は非常に洒落ています。木の素材も面白いものを使ったり。棚のほうは、漆の付け方は工夫してきれいなものですね。「山水」ですね。古い家が直ったら、僕は1つ「書」を書く、ラフな昔の部分と、洗練されたエレガントな部分は、特に古民家に必ず両方あるんですね。原始的なものに文明的なものをうまく組み合わせて。それはやっぱり面白い、美しい。日本の美の「エレガンス」「デリカシー」そのバランスでありながらアンバランスが究極な面白みだと思うんですね。家に入って、家の声を聴く。どの家も同じということはないです。こうでありたいって家が言ってくれる。「花」もそう。ちょっと傾きたいんだよ。こうでありたいっていう思いがあるんだよ。
In Japan, it was grasses, wild things that grow by the roadside. Very low key not necessarily even actually flowering. And that kind of love of quiet, simple nature, I think is key to Japan.日本では、道端に生えている草や野生の生き物。必ずしも花が咲いているわけでもない、とても控えめなもの。そのような静かでシンプルな自然への愛が、日本の鍵なのだと思う。
アレックス・カー米国メリーランド州生まれ。1964年初来日。少年期に体験した日本の美しさと失われゆく現状を国内外に訴え、次代へ残すべく、文化芸術活動の推進、講演、執筆活動など幅広く行い、日本各地に残る美しい風景と文化を守り伝える事業を推進。東祖谷に残る古民家を再生、活用する新しいもてなしの形をプロデュース。著作に「美しき日本の残像」、「犬と鬼」などがある。Alex Arthur KerrBorn in Maryland, the U.S. First visit to Japan in 1964. He appeals in and outside Japan for the need to remain the beauty of Japan and the vanishing current situation, which he experienced in childhood. He also promotes extensively the activities of arts, speeches and writing in order to leave the next generation. In addition, he also works business to carry on the tradition of the beautiful scenery and culture in many places around Japan. He reproduces the new style of hospitality in the old renovated house which remains in the east Iya. He has written, “美しき日本の残像” and “犬と鬼”.