讃岐の風景を愛する活動にビールで参加
宇多津古今をつなぐ協議会が、宇多津の古代米を原料にした新しいビールをつくりました。
その名も「UTAZU BEER」。
讃岐の風景をこの先もずっと守っていきたいという思いで開発が進んでいたビールは、宇多津やその周辺の方々の協力のもと、ついに完成しました。
休耕地を利用した古代米がビールの原料に
宇多津町では、農家の方々が「宇多津古代米組合」を立ち上げ、約3ヘクタールの休耕地を利用して「古代米」を生産しています。古代米の加工や利用を促進したいという思いから、酒造会社と連携し、日本酒「リセノワール」の誕生にも関わってきました。
そして今回、田園地帯の風景を守っていきたいという思いで開発に取り組んだビール「UTAZU BEER」が、ついに完成しました。
古来から続く田畑の風景は、農家の方々の努力がなければ成し得ません。そして私たちが米を食べること、米を使った商品を使うことは、この風景を守ることにもつながります。今回のビールづくりには、飯野山の眼前で育った宇多津産の古代米、黒米のなかでも原種に近い紫黒苑(しこくえん)を使用しています。
黒米の品種「紫黒苑」。黒々としたものほど良いとされる
休耕地を利用した古代米がビールの原料に
生産者の池田さんは、長らくこの地で米作りをしてきた一人。
「町から『宇多津の特産品になるようなものをつくりたい』と相談されたことがあって、それなら、町内にある耕作放棄地をうまく利用して古代米をつくってはどうか、となったんです」と、古代米を生産することになった当時を振り返ります。
古代米は普通のうるち米に比べ、とれ高は6~7割程度。それでも宇多津町は県内でも珍しく水不足の心配が少ないエリアのため、香川用水からの豊富な水に恵まれて安定した収穫をしてきました。
古代米をつくる池田さんご夫妻。背後にあるぽっこり山が「飯野山」
「古代米の中でも黒米は、とくに品質がいいと言われています」と池田さん。ビールだけでなく日本酒やお菓子、寿司飯、化粧品など、さまざまな加工品に展開され、宇多津の特産としてじわじわとその名を広めています。
地域の原料を使い、地元ブルワリーが醸造
そして「UTAZU BEER」の開発に際し、醸造をしたのはミロクブルワリーです。
香川県内でいち早く開業し、地産品を活かしたビールづくりの経験も豊富なブルワリー。「自然に寄り添う」をコンセプトに掲げ、有機栽培や自然栽培など地産のものをできるだけ取り入れることを大切にしています。今回は私たちの思いに共感いただき、醸造を行っていただくことに。
気になる味はというと、芳醇な麦の香りを引き立てつつも、古代米が入ることでスッキリとした味わいが特徴。麦の色と古代米の色も合わさってピンク色も鮮やかで、コクがありながらもアルコール度数は4%と低めに抑え、キレも味わえます。
UTAZU BEERの醸造中の様子
UTAZU BEERに込めた思い
UTAZU BEERのラベルは、瀬戸大橋の袂で、讃岐の玄関口である宇多津、また町家や寺社が残る古街の風景、古代米の田園風景をイメージしています。そんな美しい町でつくったビールに込められているのは「歴史ある宇多津古街に多くの人が訪れ、爽やかに楽しんでいただきたい」という想い。そこで、散策途中に気軽に喉を潤していだだくことができるビールの誕生を目指しました。
このビールが宇多津を盛り上げるきっかけになり、宇多津の新しい土産品としてたくさんの人のもとに届くことを願っています。
宇多津の魅力がギュッと詰まったラベルデザイン
地元の人たちや関係者が集った試飲会の様子
取扱店舗情報
UTAZU BEERは以下の店舗で取り扱いを開始します。
(店舗情報については店名からのリンク先をご覧ください)
飲食店
料亭 寿美久満(すみくま)
料亭 公楽(こうらく)
Chiiori Utazu Branch(ちいおり宇多津ブランチ)
醸造所
丸亀ミロクブルワリー
飲料としての提供を行います。
取り扱いのご希望などについては、以下のバナーよりお問い合わせください。