私たちについて

宇多津の今と昔をつなぎ、新たなる魅力を広く発信したい。
そんな共通の思いを持って集まったのは、街を流れる大束川の河口周辺にある「古街」エリアで活動するメンバーたち。宿や飲食店などを営む事業者などが集まり、「宇多津古今をつなぐ協議会」を立ち上げてさまざまな町の魅力を発信しています。

宇多津古街、
どこにある?

宇多津古街(うたづこまち)は、瀬戸内海に面した香川県綾歌郡宇多津町を南北に流れる大束川の河口周辺を指します。人や物資の往来が多く、文化の集積地でもあったこの場所には、今も町家が立ち並んでいます。昭和の時代を感じる和洋折衷の洋館もわずかながら残り、ノスタルジックな雰囲気も味わえます。

一社九カ寺と呼ばれるように、小さなまちに由緒ある神社仏閣が数多く残り、街をつらぬく街道には、四国八十八ヵ所霊場第78番札所「郷照寺」があります。海に開放的でありながらも、寺社と青野山がまちを包み込み、ここで暮らす人に確かな安心感と落ち着きを与えます。

宇多津町にある宇夫階神社に所蔵されている絵馬には、江戸時代以降、港町として栄えた様子が描かれています。この絵馬は、海に関わる人たちの安全、子孫繁栄、延命息災を祈願したもので、川も陸路とともに重要であったことが示されています。行き交う人とともに生きてきた街の歴史がわかりますね。

古今をつなぐ
ひとびと

宇多津 古今をつなぐ協議会メンバー

農事組合法人 宇多津古代米組合 
勇心酒造株式会社
古街の南の休耕地の有効活用のため、2006年、古代米の生産をスタート、毎年夏の気温が高まってゆく中で古代米が美しく色づくよう試行錯誤してきました。現在、3haと栽培面積も広がり2020年に農事法人化。飯の山を日に日に仰ぎながら、美味しいお米づくりに励む仲間を募集しています。 1854年(安政元年)に、宇多津町唯一の造り酒屋として創業しました。独自の発酵技術で、日本酒だけでなく化粧品などに配合される機能性素材「ライスパワーエキス」の開発・製造などを行っています。米と微生物という自然の恵みを生かしたものづくりで、これからも地域社会に貢献していきたいと考えています。
 

料亭 公楽(こうらく)
亭主 米崎彰浩 女将 米崎加壽代

 

料亭 寿美久満(すみくま)
亭主 住野弘宜 女将 住野君江

大束川のほとりにある築100年超の数寄屋造建築で、戦後すぐの頃から料亭『公楽』を営んでいます。青ノ山から瀬戸内海につながる風景は美しく、朝と夕、毎日決まった時間に近くのお寺の鐘が鳴るのも風情がありますよ。かつて盛んだった地元の交流を、今の時代に合わせた形で復活させたいですね。 明治の初めに古街の街中で「炭屋」として創業、昭和16年に大束川に面した現在地に移転、料亭として味と暖簾を守り続けています。一期一会を大切に、丁寧な接客と料理でお迎えすること、日々、変わらぬものを届けることに心を配っております。この川の流れのように遥かなる歴史を感じる宇多津に、ぜひお越しください。
 

株式会社アルペジオ
井村義幸

 

株式会社ちいおりアライアンス
村松亨 玉井幸絵

香川と東京で保育園や学童クラブなどを運営しています。宇多津では町の活性化のためにウォーキング体験プログラムを担当し、訪れた人たちに多彩な魅力を伝え、地元の人には健康づくりや友達づくりをしてもらえるような取り組みを行います。人と人との絆を大切にしながら、古街の魅力をPRしていきます。 茅葺民家や町家での宿泊事業を主軸に、日本の山村風景や生活文化の魅力を世界に届けています。「ちいおり」とは、創始者 Alex Kerr の茅葺の家「篪庵」に由来し、笛の家という意味。Alexがフルートを吹きながら、村の住民たちと囲炉裏端で語らいを楽しんだように、宇多津古街の人々と愉しみを奏でていきたいです。

 

古街のひとびと 仲間たち

 

宇多津町文化財保護協会
会長 畑 元(はた はじめ)

 

白川 美途(しらかわ みと)

中学生時代、自宅にあった宇多津町誌(昭和33年発行)をネタにして夏休みの宿題を提出したのが、郷土史に関わったはじまりです。宇多津の歴史に登場する武将・細川頼之の顕彰や、ジオガイドのサポートも担当、8mmや古い写真も募集中。古街の歴史のことならなんでもお問い合わせください。実家は乾物屋だったので、先代のくぼさんも国産の大豆を買いに来ていましたよ。 実家は古街の家に近く、現在は青の山の麓に住んでいます。子育てをするようになって、この街の様々な光景を、愛おしく思うようになりました。地域の素材をデザインすることや、手を動かしながらおしゃべりも楽しむ。そんな心が循環する活動を通して、おとな、こども、みんながほっとできる居場所づくりに興味があります。アイデア、仲間、いつでも募集しています。
 

くぼさんのとうふ soicceria
清水 奈々

 

曹洞宗 南隆寺
住職 大石 光昭

国産大豆100%のこだわり豆腐を製造する豆腐屋の3代目。父からの教えを受け継ぎ、身体によいものを届けること、「食べることは生きること」をモットーとし、おからや豆乳を使ったグルテンフリーのお菓子やお弁当を提供しています。環境にも興味を持ち、何よりも行動。沙弥島をはじめビーチクリーン(海ゴミ拾い)を行っています。宇多津ではポートクリーン、お気軽にご参加ください。 お寺だからか、多くお年寄りの話を聞いて育ちました。このまちの方々が語る言葉には、南隆寺が1461年に開かれた細川氏由来の寺院であることはもちろん、歴史が受け継がれてきた街なのだと思うことがままあります。せわしない現代、心の落ち着きを取り戻すことにお役に立てたら幸いです。毎週日曜日午前6時からの坐禅会はどなたでも参加できます。初めての方は事前にお問合せください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーワードは「米」

宇多津の魅力は海だけではありません。街の中心に大束川が流れていることで、海から山、山から海へと南北の往来も盛んに行われてきました。大束川の水運により平野部や山間部の産業ともつながりがあり、古街の川岸付近は荷揚場としての機能を果たしていました。

水運を利用して行き来したものの代表が米で、街の発展には要所要所で米が深く関わってきました。たとえば、大束川沿いにある宇多津町役場がある場所には、かつて高松・松平藩の米蔵がありました。寺社や祠の多い古街では、米や稲を用いて、素朴に自然を敬う風習が今に伝えられてきています。

古代米組合は、宇多津古街地区南部の休耕地を使って古代米の生産に取り組んでいて、香川の酒蔵を代表する勇心酒造は、古代米を使ったお酒「リセノワール」を製造しています。現在は綾川町に工場がありますが、発祥は宇多津の古街地区。宇多津とは縁の深い会社です。

そして、おいしいお米とお酒は、和食に欠かせません。川のほとりにある料亭では、旬の食材を引き立て、讃岐の食の豊かさを教えてくれます。また街では、米粉を活かした料理の考案や発酵の技術の見なおしなど、現代人の健康を考えた取り組みもはじまっています。

日本のローカル文化が残る、四国の玄関、讃岐。米を通して、日々、ここ古街から物語が紡ぎだされています。つながりを大切にしながら穏やかに生きている、暮らしのなかの物語に耳を傾けてみませんか?

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