と き|2024年6月16日(日)9:00~14:00
ところ|古街の街角にある小さな社─みこだま八幡神社 (map)
小さな町家─ Chiiori Utazu Branch 周辺
有志の大人たちによる、ワークショップ・スィーツ・ドリンク、子どもの遊び場で、古街コミュニティをたのしむ
老若男女が集い、新旧世代が顔を合わせて、つながることができる機会が、街角に出現します
ワークショップ:
・背守り(yumi.chikchikyakuzen)
赤ちゃんの一ツ身(着物)に縫い付けられていた刺繍のお守り。好きな形を選らんで布に下書き、形をなぞって縫っっていきます。Tシャツやハンカチなど、縫い付けたいものをご持参いただてもOK。自分だけのお守りができます。(所要時間30分程度)
・竹あそび(オカダカチョー)&駄菓子屋(たびするだがし家)
竹ぼっくりで路地を歩こう、竹でっぽうで射的体験もできるよ
食べ物:小さな町家や路地裏で、スィーツやドリンクが味わえます
・発酵あんこのおはぎ(samimi)
宇多津産の無農薬・無肥料、にがりを入れて元気になった土でかまちゃんが育てたお米を使ったおはぎ
ほっぺたが落ちるほど、美味しいよ
・ドリップ珈琲(glowing up coffee)
自分好みの珈琲を自分好みで抽出する、珈琲スタンド
今回の珈琲もお楽しみに!
・豆乳ジェラート・白玉ぜんざい(soicceria)
くぼさんのとうふの豆乳を使った、ジェラートやぜんざいは、身体にやさしく、心配なく、味わえるスィーツ。
消しゴムはんこ─松の木スタンプラリー
会場内の3か所を周って、スタンプを押すと、かまちゃんの塩米のおむすび1個と交換。
絵本の読み聞かせ
この日にふさわしい絵本を、松の木の下でひろげます。11時~/13時~(集まり次第随時)
主 催:宇多津 古今をつなぐ協議会 (⇒お問い合わせは、こちらから)
以下は、縁日開催にいたるまでの小ばなし
宇多津古街─祠や社のまち
宇多津古街の特徴は、約1㎢のエリアの中に一社九カ寺と呼ばれる寺社があること。お寺の多いまち、それが所以か、祠(ほこら)や社(ヤシロ)も多い。約50社はくだらないというから驚く。普段は気に留めることもないが、意識して歩いてみると、通りの片隅で小さなお堂や社を見かける。
私たちがゲストハウスを営む小さな町家のちいおり宇多津ブランチの隣り、古街の街角にも「みこだま八幡神社」がある。門かぶりの松のように路地にかぶさって生えている松が辻を雰囲気ある空間にしている。
ある日のみこだま八幡神社
ふだんは静かな街中だが、ある時、ゴト、ゴトッと隣りの神社で物音がした。外に出てみると、本町自治会の皆さんがみこだま八幡神社の扉を開けて、床を拭いている。声かけ合いながら、ヤシロに幕を張ったり、境内の草を抜いたり、笹を柱に巻き付けたり…、和気あいあいと掃除をし、何かの準備をしている。
聞くと、「お日待ち」の準備をしていると言う。どうやら、お日待ちとは祭礼の日のことのようだ。世話役の一人に 「明日が「お日待ち」やけん、来たらええが。」と声をかけられた。そこで、時間をうかがって、行くことにした。
翌日の日曜日の9時とうかがったが、9時前から、すでに皆さんが集まって掃除の仕上げをしていた。9時になると、宇夫階神社の宮司さんが来て、ヤシロの中に入り、続いて、自治会の方も入って座し、宮司さんが祝詞を挙げる。手を合わせて無事安泰を祈って、神事は終了。宮司は帰った後、自治会の方々も、幕や笹を外して手際よく片付けが進み、解散して、ヤシロはいつも通りの姿に戻った。
この街の風景の背後にあるものに立ち会った、そんなひと時だった。あちこちにある社や祠も、手入れをする、そんな人達がいるからいつも綺麗だ。掃除を共にし、ヤシロや祠ごとに祭りを行う、そんな行為が積み重なって、街が美しく保たれている。この街の何気ない景色や雰囲気は、ヤシロとそれに関わる人たちの行いが紡ぎだしているのかもしれない。
お日待ちとは
「昔は、お日待ちというて、日の出を出るのを皆で待っちょったと聞いたで。少し前までは、お日待ちで皆が集まるけん、むすびを出していた。それが美味しいてな…」と、世話役の一人、井上さんが懐かしそうに話してくれた。おむすびと沢庵、アラメの“たいたん”を皆でつくって食べていたそうだ。
「お日待ち」とは、地区の人が集まり、食をともにしながら、夜通し過ごし、日の出を待つ風習で、お日待ち講とも呼ばれていた。素朴に自然を敬う、皆で食事する。風習の本質は、いたってシンプルで、ご近所づきあいを円滑にするきっかけ。ここにもう一つ、人が集まって暮らす古街ならではのコツがありました。
おむすびづくりを再現してくれた井上さん ハランの使い方も教えてくれました
小さな発見が、ワクワクを生む
そこで、私たちは、「お日待ち」の日の掃除に参加し、「おむすびづくり」を復活、年3回ある「お日待ち」を地域の方々とたのしみ続けてきました。ゲリラ屋台をしていると、ひと昔前の本町のことを語ってくれる方も現れ、また、古街の人との会話が「面白い」「心地よい」と言って手伝ってくれる方も出てきました。
街角での対話をたのしみながら、何かのつなぎ目にいるという感覚、少しずつたしかなものとなってきました。今回、新しく移り住んできた方や次世代の仲間へと輪がひろがって「お日待ち」の日に小さな縁日を開く運びとなりました。
古街で暮らしてきた人々に倣って、ご近所づきあいや新しいつながりが生まれつつある街角の「ささやかな縁日」に散歩がてら、気軽にお立ち寄りください。
また、縁日をやってみるほうにも、興味がありましたら、join us!
おむすびスタンドで、風景の“内側“に入って、たのしむこともできます。
ヤシロのお掃除やおむすびスタンドの手伝い参加ご希望の方は、ご一報ください。飛び入りも歓迎です。
昭和30年代頃の本町地区の写真
まだ幹の細い松が写っている
みこだま八幡神社…街角の松が目印の神社。旧暦の正月・五月・九月、現在の2月・6月・10月に祭礼が続けられている。みこだまは、御子魂、御子玉とも書く。子どもの神様とも言われている。本町自治会は3組にわかれているが、交代制で「お日待ち」の当番をしている。「お日待ち」はみこだま八幡神社だけでなく、宇多津古街の各地区のヤシロでも続けて行われている。